文化祭は学校生活のハイライト
人は段階を追って成長するものです。私たちが通ってきた「学校」を考えてみても、実にうまくセグメントされています。それぞれの段階で何を学んだらいいのかが明確になっているからです。
私たちは生まれてからある程度成長した段階で、「幼稚園」や「保育園」に通うことになります。それらははじめて「集団」として時間を過ごすことを経験する時期であり、はじめて「保護者」以外の人に「教えてもらう」時間でもあります。そこで私たちは「他の人」、「先生」、「通うこと」を覚えます。ずっと両親に甘えて生きていたいけれど、時間が経てば成長しなければいけないのが私たち「人」の定めですから、ほとんどの人がその通りに成長します。
その後「小学校」に進学します。その時点を「就学」といいます。小学校に就学すると私たちは本格的に「集団」で行動すること、そして「学ぶ」ということを覚えます。教わることは「テスト」され、「成績」として記録されていくことになります。そのように「記録」され、「評価」されることはその後の私たちにとっては「一生」ついてまわるものでもあります。「評価」というものが人生を左右するものでもあるのです。
小学校では6年間も学ぶことになります。その6年間は一言では表すことができないほどさまざまなイベントを経由するもので、それらのひとつひとつが「人」を形成するために大切なものになります。身体的にも、精神的にも成長し、人によっては「自分の夢」を明確化する人もいるでしょう。
そして中学に進学すると、一気に規則も厳しくなり、より学業は深いものになり、さらには放課後の「部活動」も相まってよりバリエーションに富んだ学生生活を送ることになります。「文化祭」という言葉もその頃から身近なものとして、「実感」できるものとして、経験することになります。普段は学業と部活動に勤しんでいる日常が、そのような「イベント」の際には一気に様相を変えます。その「日」、その「時」に向かって「考える」、「用意する」ということが必要になります。「それ」を誰が考えたのであっても、「それ」はたとえ教師が提案したものであったとしても、それを「人に見せられるように作り上げること」が、それも「クラスメートと協力する」ということが、「みんなで作る」というかけがえのない「経験」を与えてくれる大切なイベントです。
そして中学後半では「進学」というものをマジメに考えて、「高校受験」を考えます。高校受験は人生で最初の一大イベントです。自分が希望する学校に進みたい、自分が希望した環境で学びたいという「意欲」と、それまで学んできたことをさらに洗練させ、同輩よりも抜きん出た成績を得る必要があるのです。
一言に「学生」といっても、実に多様なイベント、実に多様な経験をして成長したものです。それが大人になると「学生の頃は」という「一言」でまとまってしまうものなのですが、実際の記憶としては曖昧であっても、実際は多様性に満ちていたのです。