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「文化」とは「人」のこと

文化というものは何か決まった形があるわけではありません。誰かが決めたものでもありません。人がそこに集まって、何かを考えたとき、人がその時代に、その空間に、何かを残そうと考えた時点から、それは「文化」と言えるのではないでしょうか。

「文化の祭」である文化祭では、若い力が一気に溢れ出すことになります。みなぎる若いパワーが、その行き場所を見つけたかのように奔流となって一気に体現することになるのです。文化祭というイベントはそのようなイベントです。人の可能性が一気に体現するイベントなのです。文化祭で自分の新しい可能性を見付ける人もたくさんいることでしょう。その経験が自分の中でのブレイクスルーとなり、また新たな可能性につながり、将来何をしたいのかということに気がつくキッカケにもなるのではないでしょうか。

「文化」とは、人の精神そのものです。人がそれぞれの環境から作り上げたもの、ひとがそれぞれの考えの中から作りあげるものが「文化」なのです。文化とは自然と生まれるものではありますが、それを生み出すのは「人」であるということです。人が文化を作り、文化が人を作るということです。それは私たちが考える頭、感じる心を持っているから実現されていることなのです。

私たちは常に何かを感じているものです。その「なにか」は「誰か」が考えたことなのかもしれません。その「誰か」は私たち自身です。私たちが存在していることによって、人と人が相互作用を起こすということです。「文化」とは、その作用の集合体です。相互的に人と人が作用することで、私たちはねにも誰かから何かの影響を受けて生きているということになるのではないでしょうか。100人がいれば、その100人はそれぞれの人がそれぞれの人に影響を及ぼしながら生きているということになるのではないでしょうか。

人という存在自体が、だれかに影響を与え、そして与えられながら生きているものなのです。人であるということは、すなわちだれかに影響を与えること、そしてだれかから影響を与えられることであるということなのです。「文化とは人」ということは、つまりはそういうことです。「社会」というものが文化をつくります。社会であるということは「人と人が共存している」ということなのです。

「文化」とは、そのように人がつくったものです。しかし、「自分が作った」という実感はそれぞれが持っていないものでしょう。自然と自分のなかから出て来たかのように感じているものですが、その実「だれか」から影響を受けたことなのかもしれせん。その「だれか」は、「みんな」ということになります。自分だけで作り上げたものなど、この世の中には存在しないのかもしれません。世の中にはそのようにして相互作用のうえに成り立っているものなのです。それが「人」の世の中です。それが人の時代に、社会、文化なのです。人の文化が開花する瞬間を追体験できる文化祭は、そのような意味でも素晴らしいものです。

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