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文化祭はなぜ秋にあるのか

文化祭といえば季節は「秋」であるということが思い浮かべられます。別に春でも年明けでも良さそうなものですが、不思議と「秋」なのです。

何か理由がありそうです。中学、高校などでは加えて「体育祭」もあります。体育祭は文化祭よりも少し前、10月頃にあるのが通例です。「秋」というのはもっとも「学生」であるということを満喫できる季節なのかもしれません。勉強から少し解放されて、スポーツ、そして創作に精を出せる季節が「秋」なのです。

それでは、学生の1年間を少し考えてみましょう。まずは春、入学や進学で忙しなく過ごした3月を経て、4月からは新しい日常がスタートします。クラスが変わる、学校が変わる、「変わる」ということを基本にして、新しい「これから」を迎えるのが「春」です。私たち人間は一年に「区切り」を付けるのが好きではありますが、この「春」という季節は私たちにとってもっとも「リセット」できる時期でもあります。新しい場所、新しい人間関係、その他さまざまな「新しい」ということに順応する必要がある時期です。とてもではないですが、その時期に文化祭や体育祭などは行えないというのがホンネでしょう。学校側も、そして生徒も、忙しなくてなかなか落ち着かない時期でもあります。

そして「夏」までにはその新しい環境が「いつもの」環境になってきている頃でしょう。クラスメートとも打ち解け、中間試験なども経て、長いバケーションに向けて想いを馳せる頃です。気候も「梅雨」を経て夏に至り、学生生活の中でももっとも思い出を作るのにふさわしい時期を迎えることとなります。その頃に文化祭や体育祭が行われないのは、「気候」の問題はひとつあるかもしれません。特に飲食物が傷みやすい時期ですし、さらには生徒の体調も悪くなってしまうかもしれない時期です。

夏の休暇中は学生によってさまざまな過ごし方があるものです。部活動に精を出したり、友達との交友を深めたり、学生の頃の「夏休み」というのはとても長い期間あるものですから、限られた期間であっても「自由」を感じることができる頃です。

本格的に学校行事の準備がはじまるのは、その夏の休暇が明けてからとなります。夏の休暇が過ぎるとなんだか楽しい期間が過ぎてしまったような「気だるさ」を学生たちは持っています。そのような状態では勉学にも身が入らないというものですが、そのような学生に目覚めてもらうためにも、「秋」に文化祭や体育祭があるのです。

体育祭、そして文化祭の「準備」というものは、とても長い期間を使って行われます。その期間中、生徒は自分が「学生だった」ことを思い出しながら、「この学校に通っていて、仲間がいる」ということを噛み締めながら、準備を行うことになります。秋というのはそのような季節です。夏が終わった寂しさを紛らわすためではなく、イベントを通じてさらに学校、そして同輩と交流を深めるため、学校のイベントは秋に集中しているのではないでしょうか。

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